ファイザー元副社長の3つの警告とその真相

子育て

ファイザーの元副社長であったマイケル・イードン氏がSNSで『ワクチンは危険なものであり、摂取をすれば不妊の可能性がある』というようなことを発言し、爆発的に広まりました。

今回はその発言の内容3点の真偽と本当に不妊になるのかについて書いていきます

ファイザー元副社長の訴え

彼は主に3つの問題点について言及していましたが、

最初に答えを言っておくと全てデータ的に否定されています!

不妊になるは真っ赤な嘘!

それではまず1つ目の問題点から

コロナを過剰に恐れすぎている

Fact check: Ex-Pfizer scientist repeats COVID-19 vaccine misinformation in recorded speech
A former Pfizer scientist turned anti-vax proponent has made unfounded claims about the novel coronavirus in videos of a speech he gave that have been posted on...

ロイター通信の記事から内容を説明します

In his speech, Yeadon says his “favourite lie” is that people can transmit the virus without any symptoms, adding: “I would say it’s somewhere between rare and doesn’t happen.”

https://jp.reuters.com/article/factcheck-health-coronavirus/fact-check-fact-check-ex-pfizer-scientist-repeats-covid-19-vaccine-misinformation-in-recorded-speech-idUSL2N2N72CS

具体的に言うと

マイケル・イードン
マイケル・イードン

『コロナを無症状の人が広めてしまっているというニュースや見解があるがそれは間違いもしくは稀なことであり、過剰にコロナを煽りすぎている』

という話をされています。

しかし、今年3月の米国疾病予防管理センター(CDC)の報告によると、COVID-19感染の50%は症状が現れる前に起こり、感染者の30%は症状がないままです。(データ)

JAMAネットワーク医学雑誌に掲載された2021年1月の別の報告では、COVID-19感染の59%が無症候性の症例によるものである可能性があると判断しました (データ)

オンラインで医療の誤報に取り組む公衆衛生科学者のグループであるMeedan’s Health Deskの専門家は、症状のない人はCOVID-19を広め、症状のある人とほぼ同じ量のウイルスに感染する可能性があると述べました

データからも見てわかる通り感染症状の出ていない人からもどんどん広がっていっています。

これは皆さん周知の事実だと思います。

副作用の多さ、安全性について

次にワクチンの副作用の多さ、安全性においても警告しています

Another “major lie”, according to Yeadon, is that coronavirus shots are safe and effective. He points to the number of side effects listed in U.S. and UK monitoring systems as alleged proof; however, Reuters has already explained these reported reactions are not necessarily caused by the vaccine (here and here).

https://jp.reuters.com/article/factcheck-health-coronavirus/fact-check-fact-check-ex-pfizer-scientist-repeats-covid-19-vaccine-misinformation-in-recorded-speech-idUSL2N2N72CS

彼は副作用の数や重篤になった例をデータをもとにその数の多さや重要性について警告しています。

ですがそもそもこの参考データというものがVAERS(ワクチン有害事象報告制度)というオープンな報告システムであり、誰でも報告ができるためデータの信憑性が非常に低いものを例にあげています。

かつ、重篤な副作用が出た患者に対しても実際にワクチンを打ったことが起因するというデータはなく、何らかの別の疾患において出たようです。

⬇️こちらは厚生労働省が出している日本でのデータです。

接種後に亡くなった人は7月30日時点でファイザー製912人、モデルナ製7人。老衰による死者なども含まれており、現時点でワクチン接種と死亡の因果関係があると判断された人はいない。

厚生労働省は4日の専門部会で、米ファイザー製新型コロナウイルスワクチンの副反応のうち、強いアレルギー反応アナフィラキシーの報告件数が7月25日時点で100万回当たり5件だったと明らかにした。米モデルナ製ワクチンは同2件だった。

https://www.jiji.com/jc/article?k=2021080401276&g=soc

他のワクチン

ファイザー(バイオンテック)とモデルナ性のmRNAワクチンにおいては発熱や筋肉痛、倦怠感や頭痛など軽度の副作用が主で接種後に亡くなった方もおられますが、ワクチンとの因果関係がある人はいなかったそうです。

時事ドットコム

逆にJ&J(ジョンソンアンドジョンソン)やアストラゼネカ性のワクチンは血栓のリスクがあります。

J&JのワクチンはCDCおよびFDAから投与を推奨しないというアナウンスがありました。

700万人の投与されたデータを見ると、6件の血栓の症例(1例は死亡)が見つかったとのことです。

https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/vaccines/safety/JJUpdate.html

また、イギリスではメインとして使用されているAstraZenecaのワクチンですが、アメリカではまだ承認されていません。

AstraZenecaのワクチンの血栓についてのデータとしては、2000万人に投与し、79例の血栓、19例の死亡が認められ、2/3が女性、3例が30歳未満でした。

このデータにより、イギリスでは30歳未満については、AstraZeneca製以外のワクチンの使用を提供するアナウンスが出ました。

Covid: Under-30s offered alternative to Oxford-AstraZeneca jab
A review finds a "plausible" link to rare blood clots, but says the jab remains beneficial for most.

以上のことからワクチンによる副作用はJ&Jやアストラゼネカ製のDNAアデノウイルスベクターワクチンでは重篤な血栓などの副作用が数件報告されていますが、

ファイザーモデルナ製のmRNAワクチンではそれらの副作用は特に報告されておりませんので安全性はほかのワクチンに比べ高いと思われます。

不妊になるリスク

最後に今回の本題のワクチンを打つと不妊になると言われている事についてです

Yeadon has previously speculated, without evidence, that vaccines cause infertility in women, having launched a petition to Europe’s medicines regulator last year. This was spread widely on social media at the time (here).

https://jp.reuters.com/article/factcheck-health-coronavirus/fact-check-fact-check-ex-pfizer-scientist-repeats-covid-19-vaccine-misinformation-in-recorded-speech-idUSL2N2N72CS

彼は、

マイケル・イードン
マイケル・イードン

『コロナワクチンのアミノ酸の配列が”シンシチン”と呼ばれる胎盤の病態に関わるであろうタンパク質の配列と同じ箇所があり、その抗体が胎盤を攻撃する可能性がある

と述べています。

そもそもシンシチン自体の胎盤への影響などしっかりとしたエビデンスがあるわけでもなさそうです。

妊娠高血圧腎症胎児発育不全英語版)に特徴的な低酸素状態は栄養膜細胞におけるシンシチン-1の異常な発現と関連しており[22]、妊娠高血圧腎症の胎盤組織ではシンシチン-1の発現レベルが低下している[23]。シンシチン-1の発現異常は胎盤の病態に重要な役割を果たしていると考えられる。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%83%81%E3%83%B3-1
シンシチン-1 - Wikipedia

ワクチンを打って流産をしたり、不妊になったという情報もなく、逆に妊娠をされた方も多数おり

流産などとの関連性もプラセボ(ワクチンを打っていない人)と比較しても有意差がないとのデータも出ています。

動画のタイトルなど

元副社長もワクチンで不妊になるとは言っていません!『なる可能性がある』と言っているだけです。

そしてそれを知った一部の反ワクチン派の人々が情報をねじ曲げて拡散した挙句このような誤情報が知れ渡っているのです。

妊婦の方はCOVIDにかかると重症化するリスクが高いのでむしろ率先して打つべきではないかと思います。生まれてくる子供の免疫獲得にも繋がりますし。

正直なところまだワクチンが出てから一年も経過していませんので今後数年にわたって体に影響がでる可能性というものも否定できませんが。

妊婦さんは率先して接種した方がいいと思います。

※もちろん主治医とはしっかり相談してくださいね

ちなみに子供が産まれた方はしっかり子供のための教育資金なんかを用意しなければならないと思います。過去記事で資産運用についてなど書いてますのでよければ覗いてみてください⬇️

mRNAワクチンの予防効果とエビデンス

Pfizer/BioNTechのワクチン投与が進んでいるイスラエルにおいて、非常に強力なワクチンの効果が実臨床でも明らかになりました。
・ワクチンを接種していない人が症候性COVID-19を発症する可能性は44倍、COVID-19により死亡する可能性は29倍であった
・2回目のワクチン接種から2週間後の予防効果(症状のある病気、重症・重篤な病気、死亡を予防)は97%以上

Real-World Evidence Confirms High Effectiveness of Pfizer-BioNTech COVID-19 Vaccine and Profound Public Health Impact of Vaccination One Year After Pandemic Declared | Pfizer
Dramatically lower COVID-19 disease incidence rates observed in individuals fully vaccinated with the Pfizer-BioNTech vaccine, based on real-world data gathered...

ちなみに以前は-75℃の超低温冷凍庫が必要でしたが

EMAが新たに提出したデータに基づきPfizer/BioNTechのワクチンの保存について-25°Cから-15°Cで2週間保存という条件を承認し、通常の冷凍庫での2週間の保存が可能となりました。

EMA Approves New Storage Option for Pfizer-BioNTech Vaccine, Easing Distribution and Storage of Doses Across European Union | Pfizer
New York and Mainz, Germany, March 26, 2021 — Pfizer Inc. (NYSE: PFE) and BioNTech SE (Nasdaq: BNTX) announced today that the European Medicines Agency (EMA) ap...

まとめ

今回様々なデータをもとにファイザー元副社長マイク・イードンさんの警告の内容について分析してみましたが、結果はどれも明らかに主張内容が間違っていると思います。

まだ接種から1年とたっていないワクチンでわかっていないことも多くありますが、世界中で色々な方々が日々接種を行なっており、1日あたり約4000万回ものワクチンを接種しているのでまた新たなデータが続々と出てくるでしょう。

https://vdata.nikkei.com/newsgraphics/coronavirus-vaccine-status/

直近では12歳からのコロナワクチン接種の安全性が確保されているというアメリカでの臨床試験結果から日本でも接種を進める意向となっています。

ちなみにアメリカの初期の治験データから中和抗体の半減期が試験によってデータが異なりますが、68-202日となり、しっかりと低下することも明らかとなりました。また高齢者で特に抗体価の低下が認められました。

このデータからも年1回程度のワクチン接種が必要になってくると思います。

Just a moment...

今回の記事で強く訴えたいのは

もちろんワクチンを射つかどうかというのはこれを見たあなた自身の考えと判断ですが、少なくとも現状では打つリスクと打たないリスクを比べた時に打つリスクの方が低いのではないかということです。

私の小言

今回この記事を作成するきっかけがありまして。私の妻が最近第2子を産んでくれたのですが、妊娠中から『ワクチンは射ちたくない』と言っていました。

理由を尋ねると知り合いに

『ワクチンを射つと被爆する可能性がある』

と聞いたそうです。そして被爆することによって子供に害が出ると。

確かに被曝は赤ちゃんにもお母さんにもよくないです。ですが、

mRNAワクチンと被曝との関係性は全くもってないと思います。

私も妻も医療従事者ですからそれくらいのことは分かっていると思ったのですが。妊娠中であることで的確な判断ができない事とまだよく分かっていないワクチンを接種することが怖かったのだと思います。

そして出産を終えた後、妻にワクチン接種の案内の文章が届きました。その際に今回記事にした

『ファイザー元副社長の警告というものがネットに出ているので見てくれ』

ということで調べた結果このようなデータが出てきたというわけです。

私が調べた内容を彼女にも説明してはみたのですがやはり、一度抱いた不安や感情というものはなかなか消せるものではありません。私も口下手なので上手く伝わってない可能性もあります。

私自身病院で勤務していますし、救急対応やコロナ感染を疑われる方と接する機会も多いですから他の方よりも感染するリスクは高いです。なのでなるべく感染した際に重症化を防げるよう彼女にも接種して欲しいのですが・・・

ですが、実際の痛みやその後どうなるかは家族とはいえ彼女の意思。考えで決めたことです。自分がとやかく言って考えを押し付けるだけではいけません。

この記事をそのうち見つけて自ら進んで射ってくれることを願います

世の中には本当に多くの情報が溢れています。自分でその情報が本当に正しいかどうかを見極めることも大切です

コメント

  1. 平川大 より:

    自分の家族も説得できないのにワクチンメーカーの元副社長が危険と言っていることを、嘘だと、よく書けますね

    • カイパパカイパパ より:

      そう思われる方もおられるかもしれませんね。広くワクチンの安全性が知られてきたので妻も射つことになりました。