臨床工学技士が、家で使う健康家電の選び方と正しい使い方をまとめています

血圧計は上腕式と手首式どっちがいい?臨床工学技士が選び方と向いている人を解説

血圧計は上腕式と手首式どっちがいい?血圧計

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この記事でわかること
  • 上腕式と手首式のちがいと、上腕式が基本とされる理由
  • 手首式の数値がぶれやすいしくみと、手首式が向いている人
  • 買う前に見ておきたい5つのポイント(腕帯のサイズ・医療機器認証番号など)

血圧計を買おうとすると、腕に巻く「上腕式」と、手首に巻く「手首式」が並んでいて迷います。手首式は小さくて巻くのも楽そうに見えますが、家で毎日測るために買うなら、選び方には順番があります。

私は総合病院で医療機器を担当している臨床工学技士です。この記事では、血圧計のしくみから見た2つのちがいと、買う前に見ておきたいポイントをまとめます。測り方そのものは「家庭用血圧計の正しい測り方」で詳しく書いています。

結論:基本は上腕式。手首式は「上腕に巻けない人」の選択肢

  • 家で毎日測るなら、上腕(二の腕)に腕帯を巻くタイプを選ぶ
  • 腕が太くて腕帯が合わない、腕帯で締めつけると痛いなど、上腕で測れない事情がある人は、手首式を検討する
  • どちらでも、医療機器として認証された機種を選び、腕帯(手首帯)のサイズが合っているかを確かめる

日本高血圧学会は、家庭で血圧を測るときは上腕に腕帯を巻くタイプを勧めています。米国でも、上腕式が精度の基本で、手首式は上腕式が合わない・使えない人の選択肢という位置づけです。

上腕式と手首式のちがい

上腕式 手首式
巻く場所 二の腕(ひじの少し上) 手首
心臓との高さ 二の腕は心臓に近く、腕を台に乗せればそろいやすい 手首は心臓から遠く、高さがずれやすい
測るときの姿勢 腕を台に乗せて力を抜くだけ ひじを台につき、手首を胸の高さに持ち上げて保つ
大きさ 本体+腕帯でやや場所をとる 小さく、持ち運びやすい
学会の勧め 家庭で測るときの基本 上腕で測れない場合の選択肢

どちらも、腕帯(カフ)に空気を入れて血管をしめつけ、空気を抜きながら血管の振動を読み取る「オシロメトリック法」で測っています。しくみは同じなので、ちがいが出るのは測る場所と、その高さです。

手首式の数値がぶれやすい理由

手首の位置で数値が変わる目安の図。手首が心臓と同じ高さなら差はなく、手首をひざの上に置いて心臓より約20cm低くなると、計算上、上の血圧が約14〜16mmHg高く出る

血液にも重さがあるので、腕帯が心臓より低いほど数値は高く、高いほど低く出ます。計算すると、高さの差1cmあたり約0.7〜0.8mmHgです。手首式の血圧計の試験をした論文でも、心臓と腕帯の高さが10cmちがうと約7mmHgの差になると書かれています。

上腕式は、腕を台に乗せれば二の腕が心臓の近くに来るので、高さがほとんどずれません。手首式は、手首をひざの上に置いたり、机に手を置いたままにしたりすると、心臓より20cm近く低くなることがあります。これだけで、計算上14〜16mmHgほど高く出ます。

つまり手首式は、手首を心臓の高さに合わせて、そのまま動かさないことが前提の機械です。ここを毎回そろえられるかどうかで、数値の信頼性が大きく変わります。最近は、手首の角度が合うまで測定を始めないガイドつきの機種もあります。

手首式が向いている人

米国のクリーブランド・クリニックは、手首式を使ってよい場面として、次のような場合を挙げています。

  • 腕が太くて、上腕の腕帯が合わない
  • 腕帯で二の腕をしめつけると痛い、または安全に巻けない事情がある

これに加えて、旅行や出張に持っていく2台目として手首式を使う人もいます。その場合でも、ふだんの記録は上腕式で取り、手首式の数値と混ぜないほうが、日ごとの比較がしやすくなります。

手首式を使うときは、背もたれのある椅子に座ってひじを台につき、手首を胸(心臓)の高さに持ち上げて、測り終わるまで動かさないようにします。

買う前に見ておきたい5つのポイント

1. 上腕式を選ぶ

上で書いたとおり、家で毎日測るなら上腕式が基本です。上腕式の中にも、腕帯を自分で巻くタイプ、腕帯と本体が一体のタイプ、筒に腕を通すだけのタイプがあります。毎日続けやすいものを選びましょう。

2. 腕帯のサイズが腕まわりに合うか

血圧計の腕帯には、合う腕まわりの範囲があります(例:17〜36cm、22〜42cm)。小さすぎると高く、大きすぎると低く出ます。二の腕のまんなかあたりの太さをメジャーで測って、範囲に入っているか確かめてから買いましょう。腕が太い人・細い人は、別売りの腕帯があるかも見ておきます。

3. 医療機器として認証されているか

家庭用の血圧計は「管理医療機器」で、認証を受けた機種には医療機器認証番号があります。箱や取扱説明書、通販の商品ページに書かれています。通販には「医療機器ではありません」と書かれた安い血圧計や、血圧が表示されるスマートウォッチも並んでいます。診察で見せる記録をとるなら、認証番号のある機種を選びます。

4. 記録が残るか(メモリ・スマホ連携)

家庭血圧は、何日か続けた平均で見るのが基本です。本体のメモリや、スマホのアプリに送れる機能があると、手書きの手間が省けて、診察のときにも見せやすくなります。

5. 精度の試験に合格しているか(気になる人は)

血圧計の精度を、国際的な試験の方法で確かめた結果をまとめた一覧があります(STRIDE BP、米国医師会のVDL)。英語のサイトですが、型番で調べられます。日本で売られている型番と海外の型番がちがうこともあるので、見つからなくても「精度が悪い」という意味ではありません。

選ぶときの候補

腕まわりと使い方に合わせて、私が候補にするならこの3つです。どれも医療機器として売られているオムロンの機種です。

上腕式

オムロン

上腕式血圧計 HCR-7602T

  • タイプ上腕式(腕帯を巻きつける)
  • 腕帯が合う腕まわり17〜36cm
  • スマホ連携あり(OMRON connect)

CEのひとこと腕帯を自分で巻く、いちばん基本の形。腕まわりが36cmまでの人なら、まずはこのタイプで十分です。

価格・在庫はリンク先で確かめてください。仕様は2026年10月時点のものです。

上腕式

オムロン

上腕式血圧計 HCR-7608T2

  • タイプ上腕式(チューブのない一体型)
  • 腕帯が合う腕まわり22〜42cm
  • スマホ連携あり(Bluetooth)
  • 医療機器認証番号228AGBZX00110000

CEのひとこと腕帯と本体が一体で、腕まわり42cmまで合います。腕が太めで、ふつうの腕帯だときつい人の候補です。

価格・在庫はリンク先で確かめてください。仕様は2026年10月時点のものです。

手首式

オムロン

手首式血圧計 HEM-6232T

  • タイプ手首式(手首の角度を知らせるガイドつき)
  • 腕帯が合う手首まわり13.5〜21.5cm
  • スマホ連携あり(OMRON connect)
  • 医療機器認証番号230AGBZX00003000

CEのひとこと手首を心臓の高さに合わせるまで測らないしくみがあり、精度の試験に合格した論文も出ています。上腕で測れない人の選択肢です。

価格・在庫はリンク先で確かめてください。仕様は2026年10月時点のものです。

臨床工学技士(CE)として気をつけていること

  • 買ったら一度、病院で測り比べる:家の血圧計を診察に持っていき、病院の血圧計と続けて測ると、大きなずれがないかを確かめられます
  • 腕帯は消耗品:マジックテープが弱くなった、空気が漏れる音がする、ホースが折れている。こうなったら腕帯の交換を考えます
  • 左右どちらで測るかを決める:測る腕によって数値が少しちがうことがあります。原則は利き手と反対の腕で、毎回同じ腕で測ります
  • 家族で共用するなら、腕まわりを全員分確かめる:腕帯が合わない人がいれば、その人用の腕帯を別に用意します

よくある質問

Q. もう手首式を持っています。買い替えたほうがいいですか?

すぐに捨てる必要はありません。まず、手首を心臓の高さに合わせて測れているか見直してください。そのうえで、診察で数値を見せるときや、日ごとの変化をきちんと比べたいときは、上腕式を1台用意すると安心です。手首式と上腕式で数値がちがうときは、両方を診察に持っていって相談しましょう。

Q. スマートウォッチで測る血圧は使えますか?

血圧が表示されるスマートウォッチには、医療機器として認証された機種と、そうでない機種があります。認証のない機種の数値は参考程度にとどめ、診察で見せる記録は、医療機器認証番号のある上腕式の血圧計でとるのがおすすめです。

Q. 腕まわりがちょうど範囲の境目です。どうすればいいですか?

境目ぎりぎりだと、巻いたときにきつすぎたり、ゆるすぎたりしやすくなります。範囲の真ん中に近い腕帯を選ぶか、大きめサイズの腕帯がある機種を選びましょう。迷ったら、店頭で実際に巻いてみるのが確実です。

まとめ

  • 家で毎日測るなら、上腕式が基本。日本高血圧学会も上腕に巻くタイプを勧めている
  • 手首式は、手首と心臓の高さがずれやすく、そのぶん数値もずれる。上腕で測れない人の選択肢
  • 買う前に、腕帯のサイズ、医療機器認証番号、記録の機能を確かめる

血圧計は何年も使う道具です。腕に合った1台を選んで、「正しい測り方」で毎日の記録を始めてみてください。

参考資料

この記事は一般的な情報で、診断や治療の代わりにはなりません。体調に不安があるときや、測った数値が気になるときは、医師に相談してください。記事の内容は公開日・更新日時点のものです。

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